日本小児循環器学会理事長 坂本喜三郎

日本小児循環器学会理事長
坂本喜三郎
(平成29年8月1日)

 日本小児循環器学会ホームページをご覧いただき、有難うございます。

 本年6月、評議員の投票で選ばれた選挙理事全員に推薦していただき、理事長を務めさせていただくことになりました坂本です。
これから2年間、 “循環器疾患を持つこども達と成人に移行した方々、そしてその家族に貢献する”ことを第一義とし、そのうえで小児循環器学会のさらなる発展を目指したいと思っております。そのための第一歩として、私自身の抱える課題を皆様にご理解いただき、そのうえで御協力をお願いすべく文章をしたためましたので、宜しくお願い申し上げます。

『何を隠そう、私は心臓外科医です。』

小児循環器学会53年の歴史のなかで、外科医が理事長になるのは初めてのことと聞いております。私は、30余年間外科治療を通して先天性心疾患を持つ子供達と向き合って来ました。そして、この一点を通して学会にも貢献して来たと自負しております。しかし私が手術を中心にやって来られたのは、小児循環器医、新生児科医、集中治療医、麻酔医、産科医、人工心肺技師、そして多くの看護師に支援(お膳立て?)してもらったからこそと理解しております。小児循環器学会で対応を迫られている領域は幅広く、外科治療は大きな要素と思っていますが、あくまでも数ある中のひとつであるということは否めません。

『手術以外の知識が少ない外科医に、この学会の理事長が務まるのか。』

誰もが抱く疑問だと思います。私自身もこの点が不安で、理事長を受けるか否か迷いました。私が決断できたのは、選挙理事12名全員が私の背中を押してくれたからです。皆が。“手術以外の知識が少ない外科医”であることを承知の上で、“一緒にやりましょう”と言ってくれたからです。
私はスーパー理事長にはなれないと思います。
が、私の信頼する理事会、委員会の協力を得て、チーム力でより良い学会運営を目指せると信じています。

『点を繋げて、生命の線を引く。』

1ヶ月前、この言葉をメインテーマに第53回学術集会を主催させていただき、会長講演で現在の心境を以下の言葉に纏めました。
『30余年の医師人生を経て“ひとりの限界とひとりの可能性”を実感している。人生の(起承転・・)結に向かうにあたり、“今から私が引くべき線は何なのか”を自問自答する毎日である。』
私はひとりの“ただの外科医”ですが、“ひとりの可能性”に賭ける覚悟を決めました。多くの尊敬する先輩方に53年の長きに渡り紡ぎ繋いで来ていただいた小児循環器学会の線、この線を未来に向けてさらに太く繋げていくのが私の使命だと思っています。
理事の皆様、評議員の皆様、全ての会員の皆様、
そして小児循環器学会をサポートしてくれる全ての関係者の方々、
ご支援・ご協力、そして叱咤激励、何卒宜しくお願い申し上げます。