I-P-17
小動物用CTを用いた肺血管床の定量化
東京慈恵会医科大学小児科1),心臓外科2)
浦島 崇1),藤原優子1),安藤達也1),齋藤亮太1),飯島正紀1),井田博幸1),小川 潔1),森田紀代造2),中澤 誠1)

【目的】薄いスライスでの撮影が可能である小動物用CTのモデル動物に対する有用性を明らかにする.【方法】体重100~120g(n = 16)のSDラットに対して左側開胸から左肺動脈を露出し18G針を芯に5-0ナイロン糸で結紮を行った.術後,体重が150g(n = 8),300g(n = 8)に到達した時点で再び左側開胸を施行し結紮糸を抜去し,その後 1 週間にin vivoでバリウムを右室内から注入した後に心肺を摘出した.肺血管の定量化を行うためALOKA社小動物用micro CT(Latheta)を用いてvessel volumeを左下葉において50μmのsectionで計測した.左肺動脈/気管支(PA/Br)は下葉において肺動脈と気管支が伴走している部位で縦径,横径平均値を各10カ所計測し平均値とした.コントロールは同種同系統のSDラット(n = 4)を使用した.【結果】Vessel volumeは150g群で6.2 ± 1.1%, 300g群で4.1 ± 0.9%(p < 0.01), 組織像は150g群-PA/Brは1.54, 300g群-PA/Brは1.22, コントロール1.49で300g群の左側PA/Brは有意(p < 0.01)に低下を認めた.Vessel volumeとPA/BrはR = 0.69で相関を認めた.【結論】ラットを用いたmicro CTの評価は小肺動脈レベルの評価に有用であった.また早期での肺動脈狭窄の解除は血管床の成長に必要である.

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