I-P-19
先天性心疾患における3D心エコー法での左室容積の検討
北里大学医学部小児科
木村純人,中畑弥生,大和田夏子,安藤 寿,石井正浩

【目的】従来,左室容積は2D心エコー法やMモード法,心臓カテーテル検査における左室造影から近似式を用いて算出されていた.近年の3D心エコー法の進歩により,簡便,低侵襲でより正確な左室容積が計測できるようになった.【方法】当院で経験した複雑心奇形 7 例について,経胸壁3D心エコー法にて左室容積の検討を行った.【対象】対象患児は複雑心奇形を含めた先天性心疾患の 7 例.年齢は 3 カ月~1 歳 8 カ月(中央値12.7カ月 ± 6.95),体重4.4kg~11.9kg(中央値7.2kg ± 2.66)であった.心内修復術後の症例が 4 例,修復術前の症例が 3 例であった.すべての症例が心内奇形を認めている.全例心エコーの施行前後 1 カ月以内に心臓カテーテルにて左室容積の測定を行っている.【方法】経胸壁3D心エコー法はPhilips社製iE33とX7-2プローブを使用した.Full volumeで画像の取り込みを行い,解析はPhilips社製QLAB Ver. 5.0で行った.【結果】経胸壁3D心エコー法にて左室拡張末期容積(LVEDV)18.9 ± 7.91ml,左室収縮末期容積(LVESV)7.60 ± 3.81mlであった.同時期に施行した心臓カテーテル法によるLVEDVは28.9 ± 10.2ml,LVESVは11.2 ± 5.52mlであった.両者の相関はLVEDV:r = 0.93, p < 0.05;LVESV:r = 0.91, p < 0.05であった.【結論】3D心エコー図法は簡便かつ低侵襲で行い得る検査である.今回の検討で左室造影との有意な相関が得られた.

閉じる