I-P-26
診断契機別,転帰別にみた非持続性心室頻拍小児例の比較検討
青森県立中央病院小児科
中田利正

【背景および目的】非持続性心室頻拍(NSVT)は標準12誘導心電図における診断率が約10%と低く,学校心臓検診での検出率向上の一助とするため,検診発見例の臨床像を検討した.【対象および方法】1988~2007年に診断されたNSVT小児例23例を,学校検診で発見された14例(Group A)と検診以外の診断契機の 9 例(Group B)に分類し,臨床所見を比較検討した.また,転帰についても検討した.【結果】Group A,B間の比較検討で有意差が認められたのは単形性NSVT例の発生起源のみで,Group Aでは左脚ブロック型が占める比率が有意に高く(89%vs 20%,p = 0.023),発生起源が右室流出路起源と考えられる症例が多かった.心症状を有した症例の頻度に有意差はなかった.経過観察中に心症状が発現したGroup Aの症例はすべて孤立性心室期外収縮として経過観察中にNSVTが診断されていた.経過観察中にNSVTが消失した症例では単形性NSVTが有意に多かった(82%vs 20%,p = 0.036).【結論】学校心臓検診で発見された単形性NSVTは右室起源が多く,NSVT診断に際し,心症状は検診以外の発見契機例と同様に重要な臨床徴候であった.

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