I-P-43
当院でのカテーテルアブレーションにおける透視時間・手術時間・成功率の検討
日本赤十字社和歌山医療センター心臓小児科
尾崎智康,芳本 潤,豊原啓子,福原仁雄,中村好秀

【目的】当院では頻脈性不整脈に対し,積極的にカテーテルアブレーション(以後CA)による治療を行っている.今回疾患別に透視時間・手術時間・成功率等を検討した.またWPW症候群の左側副伝導路へのアプローチ法として現在は経中隔到達法(以後TS)を用いているが,以前行っていた大動脈経由の逆行性アプローチ法(以後R)との比較検討も併せて行った.【対象】2006年 7 月~2008年12月の間に当院でCAを施行した290例.【結果】括弧内は透視時間・手術時間・年齢(すべて中央値,単位:分および歳)・成功率(単位:%).WPW症候群105例(17.5・139・10.5・98),房室結節回帰性頻拍53例(18.2・147・112.9・92.5),心房頻拍32例(19.4・170・8.9・84.8),心房粗動および心房内回帰性頻拍38例(30.6・237.5・20.25・81.6),心室頻拍60例(19.9・166・12.5・80)であった.いずれの疾患群でも手術時間と透視時間には強い相関を認めた(p < 0.001).先天性心疾患を伴う不整脈症例は伴わない症例に比して,手術時間は長くなるが(p < 0.05),透視時間には有意差はなかった.左側副伝導路へのCAに際し,2006年以前はRが大半であったが,2007年よりTSによるアプローチを開始した.全TS症例群とR症例群とでは透視時間に有意差(p < 0.05)を認めたが,2008年以後のTS症例に限定しR症例群と比較すると,透視時間も有意差を認めず,他の検討項目も有意差を認めなかった.【結論】治療の有効性を保ちつつ,透視時間を少なくする努力は今後とも必要でCARTOシステム等との組み合わせで治療を行うことが重要である.経中隔到達法は左側副伝導路のアプローチ法として有効である.

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