日本小児循環器学会雑誌 第24巻 第2号（93-98） 2008年
著者
鎌田 政博
所属
広島市立広島市民病院小児循環器科
要旨
両大血管右室起始（double-outlet right ventricle：DORV）とは，大動脈，肺動脈が完全またはおもに右室から起始する心室大血管結合と定義される．そして，ファロー四徴において大動脈が50％以上右室から起始しているのなら，これをDORVの特徴を備えたファロー四徴と呼んでよいとの考え方もある．DORVの解剖を明らかにするためには，心室中隔欠損と半月弁，大血管相互の位置関係，冠動脈形態，肺動脈下・大動脈下流出路狭窄の有無，その他の合併心奇形を注意深く評価していく必要がある．この報告では，単心室や房室弁閉鎖に合併するものは除き，房室関係が房室一致を示すDORVについて考えていきたい．
キーワード
double–outlet right ventricle，classification，components of the ventricular outlets，tetralogy of Fallot