日本小児循環器学会雑誌  第26巻 第3号(219-226) 2010年

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著者

井門 浩美1),塚野 真也2),伊藤 園恵3),幸山佳津美1),田中 教雄1),仲宗根 出4),矢崎 諭5),山田 修5)

所属

国立循環器病センター生理機能検査部1),新潟県立新発田病院小児科2),国立病院機構刀根山病院臨床検査科3),国立病院機構大阪南医療センター臨床検査部4),国立循環器病センター小児科5)

要旨

背景:発育を考慮した大動脈全体の径の正常域がなく,大動脈の拡大あるいは狭小化を来す疾患において小児期での評価が困難となる場合がある.今回われわれは小児期の大動脈径の正常域の設定と形態的特徴を評価することを試みた.
方法:対象は小児心臓超音波検査で器質的病変を除外した208例(男/女118/90,日齢8日~20歳,平均8.7歳,身長45~188 cm,平均128 cm).方法は,超音波断層法にて大動脈径を外膜の内側-内側間で,大動脈弁輪部から腹部大動脈まで11カ所で計測した.各計測値を身長と比較するとともに,Valsalva洞径と弁輪径の比,Valsalva洞径とsinotubular junction(ST junction)の比,ST junction径と弁輪径の比,Valsalva洞径と胸部下行大動脈径の比,およびST junctionから1 cm末梢側の上行大動脈径と胸部下行大動脈径・横隔膜レベル大動脈径・腹部大動脈径の比を算出した.
結果:大動脈径は身長による直線回帰モデルで予測できた.7つの大動脈径比は身長と相関はなく,身長にかかわらずほぼ類似した値を示した.
結論:小児期の正常大動脈径は身長で推定される.また,大動脈径比は,身長を考慮する必要がなく形態評価に有用であると考えられた.

全文平成21年7月2日受付
平成22年1月4日受理

キーワード

ultrasonography,aortic diameter,childhood,normal value,morphological characteristics

別冊請求先

〒565-8565 大阪府吹田市藤白台 5-7-1 国立循環器病センター生理機能検査部 井門 浩美