A-I-1
乳児期早期に外科的あるいはカテーテル的治療を施行した重症ファロー四徴の検討
国立循環器病センター心臓血管外科1),国立循環器病センター小児科2)
浜崎安純1),八木原俊克1),上村秀樹1),鍵崎康治1),高橋 昌1),越後茂之2),富田 英2),渡辺 健2),北村惣一郎1)

【目的】重症ファロー四徴(TF)に対するPTPV,shuntの有効性の検討.【対象と方法】対象は1994年以降の 3 カ月齢以内に外科的あるいはカテーテル的治療を行った重症TF 9 例.左室と肺動脈の発育が良好な例は 3 カ月以内の一期的修復の方針とし,一期的修復に適さない例にはshuntを選択し,乳児期での修復を目指した.また,狭小肺動脈弁輪(70%N未満)や肺動脈低形成(PAI < 100)を伴う例は修復へ向け順行性肺血流増加を目的にバルーン肺動脈弁形成(PTPV:弁輪径の150%)を選択した.【結果】条件のよい 1 例は67日齢に一期的修復を施行.4 例は緊急手術でshuntを施行したが左室,肺動脈ともに良好に発育した.PTPVは 4 例に施行し,急性期のhypoxiaの改善と肺動脈,肺動脈弁輪とも約150%の発育を得たが,その後のhypoxiaの進行や左室発育不足等のためPTPV後45 ± 28日に全例shuntを追加した.修復術前の肺動脈弁輪径はshunt群が63 ± 11%N,PTPV群が72 ± 7%Nであった.7 例は乳児期に,川崎病合併例と大動脈弁形成を併施したAR合併例は幼児期に修復術を行い,全例術後経過良好である.【まとめ】shuntにより左室,肺動脈ともに良好な発育が得られた.PTPV後のhypoxia改善は一時的で,のちにshuntを必要としたが肺動脈弁輪のより良好な発育が期待できる.

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