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S-II-2 |
心不全の病態生理と神経体液-免疫性因子 |
滋賀医科大学第一内科
蔦本尚慶 |
慢性心不全患者において,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系,交感神経系,エンドセリンなどの心毒性と考えられる神経体液因子が亢進し病態生理に関与している.最近,免疫性因子や酸化ストレスが心不全の病態に関与している可能性が指摘されている.我々は,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度測定が心不全患者の重症度-治療効果判定-予後推測などに有用であると報告した(Circulation 1997; 96: 509, Eur Heart J 1999; 20: 1799, J Am Coll Cardiol 2000; 36: 1587).BNP以外にも,ある種のサイトカイン(Interleukin-6)や酸化ストレスの指標(oxLDL)も心不全の病態に密接に関与し,その測定は臨床的に有用である可能性がある(J Am Coll Cardiol 1998; 31: 391, J Am Coll Cardiol 2002; 39: 957).心不全の病態にこれらの因子がどのように関わっているかについて,臨床的立場から解説したい. |
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