C-IV-5
中隔副伝導路を有するWPW症候群の高周波カテーテルアブレーション
日赤和歌山医療センター第二小児科1),近畿大学医学部心臓小児科2)
豊原啓子1),中村好秀1),田里 寛1),福原仁雄1),谷平由布子2)

【目的】中隔副伝導路を有するWPW症候群の高周波カテーテルアブレーション(RFCA)について検討した.自由壁側副伝導路を有するWPW症候群175例のRFCAの成功率,再発率も比較検討した.【対象】症例は中隔副伝導路に対してRFCAを行った32例.年齢は 5~27歳.右前中隔 8,中中隔 4,後中隔20であった.【結果】前中隔例では,7 例に大腿静脈(FV)から,1 例に右内頸静脈からのアプローチを行い,急性期の成功は 3 例(成功率37%),そのうち再発が 2 例(再発率67%)であった.不成功例 5 例中 2 例は 2 回目に成功した.1 例に一過性の完全房室ブロックを認めた.中中隔は三尖弁からのアプローチですべて成功,再発及び合併症は認めなかった.後中隔例は三尖弁側 8,僧帽弁側10,中心静脈(MCV:心外膜側)2 であった.三尖弁側 2 例とMCV 2 例が不成功で,三尖弁側 2 例とMCV 1 例は 2 回目で成功した.3 回のRFCAが不成功後,頻拍のコントロールが不良のMCVの 1 例は手術を施行した.32例の急性期の成功率は21/32(66%),再発率は2/21(10%)であった.自由壁側副伝導路では急性期の成功率は173/175(98%),再発率は18/173(11%)であった.【考察】自由壁側副伝導路に比べ,中隔副伝導路に対するRFCAは特に,前中隔や心外膜側後中隔において,成功率が低く再発率も高い.心外膜副伝導路は距離的な問題があり,前中隔副伝導路は容易にBumpしやすく,房室ブロックを避けるためにアブレーション部位が限定されることなどが考えられる.

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