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C-IV-6 |
Electro-anatomical mapping(CARTO)を使用して高周波カテーテルアブレーションを行った先天性心疾患術後の心房内リエントリー頻拍症例 |
日赤和歌山医療センター第二小児科1),近畿大学心臓小児科2)
豊原啓子1),中村好秀1),田里 寛1),福原仁雄1),谷平由布子2) |
【目的】先天性心疾患(CHD)術後の心房内リエントリー頻拍(IART)は薬剤抵抗性で,複雑な解剖学的barrierや手術後の切開線のため,従来の電気生理学的マッピングや高周波カテーテルアブレーション(RFCA)には限界があり,RFCA後の再発率も高い.今回我々は,CHD術後のIART症例におけるElectro-anatomical mapping(CARTO)の有用性を検討した.【対象】症例はCHD術後 6 例.年齢は 7~30歳.心室中隔欠損(VSD)3,総肺静脈還流異常(TAPVC)1,完全大血管転位(TGA)1,右室型単心室,Fontan術後(Atrio-Pulmonary-Connection)1 であった.IART出現は術後11カ月~26年.2 例に運動中の失神を認めた.2 例がエントレインメントを指標に三尖弁─下大静脈峡部にRFCAを行っていたが再発した.【結果】検査中にIARTが誘発されたのは 5 例であった.再発例を含むVSD術後の 2 例は室上稜前方に,TGA術後の 1 例は上大静脈後方に最早期を有するミクロリエントリー性の心房頻拍で,最早期興奮部位にRFCAを行い成功した.再発例のVSD術後の 1 例は心房切開線周囲のマクロリエントリーで,切開線と下大静脈間にRFCAを行った.TAPVC術後例は心房切開線と切開線の間を 8 の字に旋回するマクロリエントリーで,切開線間にRFCAを行った.IARTが誘発されなかったFontan術後症例は,HRA pacing下でCARTOを使ってmappingを行った.拡大した右房自由壁には,低電位領域(scar)が広範囲に存在し,scarとscarの間にRFCAを行った.この後Total-Cavo-Pulmonary-Connection conversionが施行された.【考察】先天性心疾患術後の心房内リエントリー頻拍の機序同定とアブレーション治療の部位決定にElectro-anatomical mappingは非常に有用であった. |
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