N-V-8 |
PICUにおける心臓外科手術後看護の方向性を考える |
東京大学医学部附属病院PICU
湯原なお子,清水雪江,濱田五月,伊藤智惠子 |
2001年 9 月,東京大学医学部附属病院は,本院と分院が統合し,新入院棟をオープンさせた.新入院棟は,チーム医療を実現し,大学病院として期待される高度先進医療を,安全かつ快適な環境で提供することを第一に考えられた病棟である.その高度先進医療提供のために,CCU,HCU,NICUとともに新設されたのがPICU(Pediatric Intensive Care Unit)である.国立大学附属病院では初の開設となった当院PICUは,個室 2 床を含む全 6 床からなり,主に小児科,小児外科,心臓外科などの診療科の,呼吸循環管理の必要な急性期の患児が入室している.スタッフは,小児科,小児外科,胸部外科出身の看護師を中心に総勢20名で看護にあたっており,小児科心臓チームと心臓外科小児チームを中心に組まれている医師スタッフと連携して,PICUを運営している.オープン以前に胸部外科病棟で行っていた小児心臓外科手術後管理は,すべてPICUに移行しており,一週間に 2~4 例の術後入室がある.オープン以来,2002年 3 月11日現在で入室患児総数が100例を超えたが,このうち心臓外科手術後の患児は69名で,ほぼ 7 割を占めている.疾患は,VSD,ASD,CoA,TOF,SV,TAPVR,TGA,HLHSを始め,多岐に及ぶ.在室日数は,主にVSD,ASDなどの 3~5 日の症例が最も多く35例で,中にはHLHSなど,30日以上の長期在室になる症例も 3 例ほどあった.オープンから数カ月経過し,入室オリエンテーション,在室期間の家族へのケア,プライマリーナースの存在,手術室が遠いことによる移送時のリスク,他病棟や他職種との連携など,さまざまな検討課題が浮上している.このような現状を踏まえ,今後PICUという特殊な環境における,心臓外科手術後看護の方向性を検討していく必要性を感じている.そこで,まずは看護スタッフの考える看護上の検討課題を共有するため,PICU看護師20名を対象にアンケート調査を行ったので,その結果を報告する. |
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