N-V-9
小児循環器ICUにおける新人看護婦教育に対する取り組み-第 2 報:配属後 2 年目の看護婦へのかかわりを中心に-
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所
白石裕子,木村しづ江,斉藤ふみ子,吉橋美奈,二見千恵,槙野洋実,岡脇 幹,伝住幸代

【はじめに】第36回小児循環器学会において,平成11年度における当科での新人看護婦に対する教育の取り組みを紹介し,小児循環器ICUにおいては他部署での臨床看護経験がある者においても「1 人前になる」までに 1 年半から 2 年を要するのではないか,という見解を示した.今回,平成12年度当科において課題とされた,2 年目看護婦がリーダー看護婦として患児の看護ができるようになり,「1 人立ち」するための取り組みと,取り組みの中で得られた知見を報告する.【2 年目看護婦への取り組みと結果】2 年目看護婦は共通して患児の看護にあたる自分の知識・経験不足を強く感じており,リーダー看護婦の手を離れ自らが主体的に患児看護を行っていくことに対しての不安を強く感じていた.そのため 2 年目看護婦への取り組みに関しては,まずそれぞれの目標と課題を明確にするための個別面接を行った.また 2 年目看護婦が感じる不安の吸い上げと対処を随時心がけた.年度の前半は 2 年目看護婦が 1 人立ちするための前段階と位置付け,3 年目以上の看護婦がプリセプターとして新人看護婦の教育にあたり,2 年目看護婦は自らの課題に沿って患児看護を深めることに重点をおいた.また患児の看護に必要な医師との調整内容や調整時間の検討,及び,2 年目看護婦のニーズに合わせて『急変時の対応』などをテーマとした勉強会の実施,などを行った.年度後半からは 2 年目看護婦は受持ち患児以外の患児にも目を向けられるようになり,それぞれの能力に応じて新人教育への参加も導入していった.結果,2 年目看護婦においては,3 年目にはプリセプターとして新人看護婦の指導にあたれるのではないかと思われた.【考察】2年目看護婦は「1 人立ち」していくことに対してさまざまな不安を感じていた.そのような中で,個人の課題や目標を明確にするとともに,チームとしての環境を整えるなど全体でサポートしていく姿勢を示すことが大切であると思われた.

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