![]() ![]() |
P-I-53 |
川崎病の免疫グロブリン治療後の血清IgG値上昇率について |
東邦大学医学部第二小児科(大橋病院小児科)
二瓶浩一,池田周子,細野稔彦,青木継稔,四宮範明 |
【目的】川崎病急性期において冠動脈病変を来す症例や,大量免疫グロブリン療法(IVGG)に抵抗する症例では,IVGG後の血清IgG値の上昇が不十分であることがわかってきた.しかしなぜ不十分なのかは明らかではない.われわれは同時に測定したサイトカインとの関係からこの点を検討した.【方法】血清IgG値の上昇の評価は,血清IgG値上昇率(日児誌,105;11:1207─1213)を利用した.略記すると血清IgG値上昇量×体重×0.75/IVGG総投与量である.川崎病症例は40例,年齢は 4 カ月から 9 歳 4 カ月であり,第 7 病日以内にIVGGを 1g/kg/日で施行した症例を対象とした.検討したサイトカインはsIL-2R,IL-6,IL-10,IFN-γ,TGF-β1,そしてVEGFである.【成績】血清IgG値上昇率はsIL-2RおよびIL-10と負の相関を認めた(p < 0.05).またVEGFとは正の相関の傾向を認めた(p = 0.05).またアルブミンやCRPとは相関しなかった.【結論】川崎病急性期におけるIVGG後の血清IgG値上昇率は,血管透過性亢進の影響によるものとは考えにくく,急性期の免疫状態の活性化の程度を反映したものと推察された. |
![]() |
閉じる |