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P-IV-51 |
Ebstein奇形に対する新術式-Oblique Plication-の中期遠隔成績 |
京都府立医科大学小児疾患研究施設小児心臓血管外科1),
京都府立医科大学小児疾患研究施設小児内科2) 松下 努1),山岸正明1),春藤啓介1),新川武史1),宮崎隆子1),北村信夫1), 浜岡建城2) |
Ebstein奇形に対する新しい再建術式(偏位後尖の斜め上方転位)の中期遠隔成績を報告する.【症例】13歳と24歳(いずれも低形成左室とPFOを合併)の 2 例.【手術】偏位後尖弁輪の中隔尖側半分を冠静脈洞直下のseptal cristaに沿って心室中隔に縫着(刺激伝導路より尾側)し,弁輪を斜め上方に持ち上げる.中隔尖と後尖は刺激伝導路をさけるため弁尖のみをbridge状に縫合.右房側に遺残した右房化右室も斜めに縫縮.最後にDuran flexible ringを新三尖弁輪に縫着.【結果】現在,それぞれ47カ月と36カ月経過しているが,両例ともごく軽度の逆流を認めるのみで左室壁運動の低下や上室性不整脈の発生もなく順調に経過している.【考察】Oblique Plication法は左室の解剖学的形態を保持できること.右房化右室の縫縮と三尖弁輪縫縮を一度に施行できること.三尖弁の連続性を再建できること.弁尖の離脱を回避できる事などの種々の利点がある.さらに,三尖弁の切離や縫縮のどちらも必要とせず手技的に容易で,前尖のplasteringが軽度であるEbstein奇形に対し適応可能である. ![]() |
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