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P-V-59 |
著明な頻拍を呈した乳児MRSA腸炎の 2 例 |
県立宮崎病院小児科
尾上泰弘,西口俊裕 |
【はじめに】著明な頻拍を呈した乳児 2 例を経験し,後日その原因がMRSA腸炎と診断された.頻拍・ショック症状と乳児MRSA腸炎の関連を示す報告は今までになく,症例を呈示する.【症例 1】3 生月女児.主訴:急にぐったりした,嘔吐頻回,頻拍(200─230/分).病歴:朝 8 時から突然 8 回噴水状に嘔吐.10時に近医受診.頻拍(200─230/分)を指摘され,紹介入院.受診時ぐったりしており,上室性頻拍症を考えジゴシン,ワソラン,アミサリン使用するも軽快なく,インデラル(βblocker)静注にて心拍160/分となる.1 カ月前に抗生剤内服歴あり.【症例 2】9 生月男児.主訴:発熱,呼吸困難,下痢.病歴:繰り返す中耳炎や気管支炎のため,入院前 2 カ月の間に,6 種類にわたる抗生剤内服の既往あり.40℃の発熱のため抗生剤処方.2 日後下痢出現.抗生剤を変更.高熱続き,嘔吐・1 日10回以上の下痢,全身状態不良のため入院.入院時頻拍230/分を認めた.【経過】2 症例とも後日,MRSA腸炎と診断され,バンコマイシン投与等で速やかに軽快した.【考察】乳児のMRSA腸炎は極めて稀と報告されている.この疾患に著明な頻拍が合併することは文献的に今まで報告がない.乳児の著明な頻拍の原因にMRSA腸炎の可能性を考慮する必要があると思われた. |
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