P-V-68
患者自宅からの電話伝送による携帯型発作時心電図記憶伝送装置およびリアルタイム解析型心電図の不整脈の発見および治療後の経過観察に対する有用性
医療法人湖明会たかはし小児科循環器科医院
高橋良明

【目的】不整脈発見および治療後の経過観察に携帯型発作時心電図記憶伝送装置(以後携帯心電図)及びリアルタイム解析型心電図(以後リアルタイム心電図)が有用であるかを検討した.【方法】胸痛,動悸,胸部不快感を主訴として来院した 8 歳~81歳の183例の患者に携帯心電図106例,リアルタイム心電図77例行った.事前に心エコー,トレッドミル運動負荷試験を行い診断がついた例は対象から除外した.また 5 例の発作性上室性頻拍症(以後PSVT)や心房粗動頻拍発作(以後AF)や心房粗動(以後Af)例でアブレーションや薬物療法後の経過を追った.携帯心電図は 2 週間,リアルタイム心電図は 5 日間患者に持って帰って頂き発作時に心電図を自宅で記録して頂き,自宅の電話を用いて伝送し,当院のノートパソコンに入力した.【成績】器械所持期間中に発作がなく記録されなかった症例が携帯心電図で67例(63%),リアルタイム心電図で30例(39%)あった.記録されたものの中で携帯心電図39例中正常27例(70%),トレッドミルでは誘発されず携帯心電図での不整脈発見例12例(30%,例PAC,PVCなど)であった.記録されたリアルタイム心電図47例中正常36例(77%).トレッドミルでは誘発されずリアルタイム心電図での不整脈発見例11例(23%,例PAC,PVC,PSVTなど)であった.また治療後の経過観察の 5 例ではアブレーション後の 1 例にPACの散発がみられた.薬物治療後の 4 例では定時的に電話で伝送させ発作軽快を確認できた.【結論】(1) 携帯心電図およびリアルタイム心電図は来院せず自宅より心電図を伝送でき有用であった.(2) トレッドミルで誘発されなかった胸痛発作時の不整脈発見に有用であった.(3) 不整脈治療後の経過観察が来院せずに確認でき有用であった.

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