P-VI-64
先天性心疾患を有しない新生児の上室性期外収縮,心室性期外収縮の消失時期
県立岐阜病院新生児センター1),県立岐阜病院小児循環器科2)
長澤宏幸1),桑原尚志2)

未熟児特有の洞調律の徐脈,それに伴う一過性の補充調律や頻脈のみの症例は除外した.条件を満たした患児数は48例であった.(SVPC:16例,VPC:12例,SVPC + VPC:20例).観察期間は不整脈を指摘されたときからHolter心電図上不整脈がほぼ消失したときまでとし,平均 5 カ月であった.SVPC,VPCともmonofocal,multifocalを問わず全例無治療で経過観察した.【成績】胎児仮死による死亡例が 1 例あったが,不整脈そのものによる死亡例はなかった.不整脈の残存割合をKaplan-Meier法にて検討し,表に示した.【結論】いずれの不整脈の場合も予後は良好と考えられる.胎児不整脈を認めたが出生後不整脈が消失したり,入院を必要とされなかった症例が相当数ある.CHDを伴わない不整脈患児の予後は,統計の対象範囲の設定に大きく依存すると考えられ,周産期に何らかの不整脈を来した児の実際の消失時期はこの統計よりかなり早いと考えられる.

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