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B-III-5 |
不整脈診断における食道誘導心電図の有用性-電極の作製と工夫- |
九州厚生年金病院小児科1),九州厚生年金病院中央検査室2)
渡辺まみ江1),城尾邦隆1),金谷能明1),宗内 淳1),池田和幸1),浜本英治2) |
不整脈診断においてP波の同定はきわめて重要であるが,体表面心電図においてはP波の存在すら認識不能なことが少なくない.食道誘導心電図は大きく明瞭なP波を得ることができ,不整脈の解析を正確にかつ容易にするが,市販の電極カテーテルは太く,小児には危険と苦痛を伴い実用的とは言えない.我々は 5~6Fの小児用多用途チューブ(アトム社)に,心臓カテーテル検査時モニター用の炭素電極(3M Red Dot)を組み合わせたdisposableの食道誘導心電図電極を作製した.容易に作製可能で,材質も柔らかく新生児にも安全に使用できるため,日常診療に利用し実際の不整脈診断に威力を発揮している.【作製方法】(1) カーボン電極の体表のパッチ部分を切り落とし,小児用多用途チューブの中に通して,電極先端をチューブの側孔から抜き出す.(2) 電極先端のビニール被覆を取り除き,5mmくらいカーボンが側孔から出るように露出させ,カテーテルが抜けないようキャップと糸で固定する.(3) 未熟児・新生児向けに被覆をすべて取り除いた炭素電極を通し,5Fも同様に作製できる.【心電図】日齢 1 男児,心房頻拍の症例.体表面心電図でははっきりしないP波が,下段の食道誘導で明らかである. ![]() |
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