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N-VI-3 |
重症心疾患児における母子分離後の母子関係について-親・乳児間の愛着行動スケールを用いて- |
福岡市立こども病院感染症センター
伊織圭美,新徳美代子,松本和子,宮本千賀子 |
【目的】重症心疾患児は,出生直後より入院加療が必要で,母子分離を余儀なくされる.病棟で母子同室となった時,母子分離のあった母児は,母子分離のない母児に対し,愛着行動に差があると感じていた.今回母子分離のあった母児と母子分離のなかった母児を対象に,親・乳児間の愛着行動スケールを用いて比較検討した.【対象】重症心疾患でNICU,ICUを経て病棟に転棟した母子分離有り群20例,産院退院後自宅で過ごした後検査及び手術で入院した母子分離なし群20例.【方法】両群に対し病棟入院後,2~3 日目に親・乳児間の愛着行動スケールを用い,面接で項目の説明を行ないながら,自己評価してもらった.スケールは妊娠中,育児,児の反応に分け各項目を 5 段階で評価し,t検定を行なった.【結果】表参照.(1) 妊娠中は両群に差はなかった.(2) 育児・児の反応において母子分離有り群は明らかに愛着行動が低かった.【考察】今回の結果から,母子分離は明らかに愛着行動を遅らせる事がわかった.愛着は母児相互作用の繰り返しより生まれるため母子分離期間は最小限にし,母子分離のあった母児には愛着行動がスムーズに受け入れられるよう,心臓病の知識を含めた積極的かつ計画的な看護介入が大切である事が再認識できた. ![]() |
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