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N-VI-8 |
死を迎えた子どもと家族への援助-看取りのケアにおけるアンケート調査より- |
岐阜県立岐阜病院小児循環器科病棟
紀藤雅美,小林紀子,長柄美保子,市川百香里,高木久美子 |
【はじめに】医学の進歩により先天性心疾患の救命率は近年上昇しているが,疾患によっては死の転帰を辿ることもある.私達は看護実践を通して集中ケアを行う環境下にある児の死に遭遇してきた.その時看取りの空間を創ることができているのか,自分の行ったケアが本当に両親に対して何らかのサポートになっているのか自信がなく,時には無力感を感じた.両親にとり子どもの死とは大きな衝撃であり,その死と向き合うことは容易ではなく時間と適切な援助が必要である.両親が児を看取る時,悲しみを共有する看護者の関わりがその後の児の死の受容を左右すると言われる.今回,子どもの死を経験した両親に対し調査,分析し集中ケアを行う環境下で子どもの死を迎えた両親への援助について考察したので報告する.【研究方法】1)対象:平成13年 1 月から12月まで当院小児循環器科病棟集中治療室で死亡した児の両親 8 組.2)方法:(1) 両親に対して郵送による質問紙調査:事前に承諾を得た両親のみ.(2) 調査内容:死を迎えた時の両親の思い,行動.両親の希望する児に対するケア.看護者に希望すること.看取る時の環境について.(3) 分析方法:研究者で看取りのステージ 1 は死が近いという知らせを受けた時.2 は死の宣告.3 は児との対面.4 は退院と 4 つに分けた.その上でステージ毎に調査から得られた内容を逐語的に分類し看護ケアについて分析した.【結果・考察】ステージ 1 は児の死に至る経過により両親の思いに相違はあったが,児が死に直面していることを正確に伝えることが重要である.2 は両親以外の家族も一緒に宣告を受ける,抱っこして死を迎えたいと希望していた.この時は環境に配慮し看取りの空間を創ることが重要である.3 は児の死後の処置など希望に応じて一緒に行うことで死の事実を確認することができる.4 は退院以降も継続的な関わりが必要である. |
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