D-I-22
ダブルスイッチ術後再手術症例の検討
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所小児心臓血管外科
内藤祐次,黒澤博身,新岡俊治,長津正芳,磯松幸尚,森島重弘,坂本貴彦,岩田祐輔,小坂由道,松村剛毅

【背景】心房心室錯位疾患に対するダブルスイッチ手術(DSO)は侵襲の大きな手術で,より長期の経過観察が必要である.【対象】当施設で施行したDSO 81例と他院での 1 例の計82例中,再手術を施行した 7 例.再手術時年齢は平均6.4歳(10カ月~19歳),DSOから再手術までの期間は平均2.7年(1.2~4.5年).【症例 1】L-DORV,PA,VSD,MR→Senning + Rastelli.心房心室レベルでのresidual shunt(Qp/Qs = 1.8)に対しresidual shunt closure + reMVP.【症例 2】L-DORV,PA,VSD→Mustard + Rastelli,MVR(SJM 23).VSD狭小化によるLVOTS(45mmHg)に対してVSD再拡大と心室内再rerouting.【症例 3】L-DORV,PS,VSD→Mustard + Rastelli.SASによるLVOTS(55mmHg)およびRV-PA conduit stenosis(35mmHg)が進行しSAS切除,VSD再拡大と心室内再reroutingおよび肺動脈右室直接吻合による右室流出路再建.【症例 4】L-DORV,PA,VSD,PAPVC→Mustard + Rastelli.PS(25mmHg),PVOが進行し,肺動脈再建とPVO解除.【症例 5】L-DORV,PS,VSD→Senning + modified REV.Dacron patchのfibrous neointimaによるLVOTS(42mmHg)とRV conduit狭窄に対しSAS切除,心室内再rerouting(VSD再拡大なし)と右室流出路再形成.【症例 6】CTGA,PA,VSD→Senning + Rastelli.IEによるLV mycotic pseudoaneurysmに対しVSD再閉鎖と肺動脈右室直接吻合による右室流出路再建.【症例 7】CTGA,VSD→Senning + Jatene.MR,VSD residual shunt(Qp/Qs = 1.9),AFに対しMVP,shunt closure,AV node modification.【考察】再手術の要因として両心室の流出路狭窄が多く認められた.症例 1,3,4 は初回手術の時点でVSDを拡大しており,また症例 1~4,6 のRastelli手術の心外導管はすべてXenomedicaによるものであった.最近は自己組織を積極的に利用している.【結論】VSD拡大が必要なDORVのDSOは遠隔期に両心室の流出路狭窄を合併する可能性があり,より慎重な経過観察が必要である.

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