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P-I-8 |
新生児および乳児における左室拡張末期径の発育の検討 |
県立岐阜病院新生児センター1),県立岐阜病院小児循環器科2)
長澤宏幸1),桑原尚志2) |
【目的】われわれは左室拡張末期径(LVDd)は身長と直線関係になり,この関係式は身長75cm以上にあてはまることを示した.今回,身長75cm未満の児における左室腔の大きさを心エコー図を用いて検討した. 【対象および方法】対象は重篤な慢性肺疾患および先天性心疾患を認めない新生児および乳児146例で,在胎週数は24~41週(34.4(平均)±4.3週(標準偏差)以下同様),測定時身長:35.0~87.5cm(56±13cm),測定時体重:638g~11.0kg(5.0±3.1kg),測定時年齢:9 日~2.48歳(0.57±1.53歳)であった.方法はHewlett-Packard社製Sonos 2500を用い,7.5MHzの探触子を使用した.胸骨左縁左室短軸僧帽弁上縁で測定した.いずれも安定して測定できた 5 心拍の平均値を用いた.【成績】1)LVDd:身長(r = 0.92),体重(r = 0.87)および体表面積(r = 0.90)を指標としたときいずれも直線関係が成り立った.このうち身長との相関が最も良好であった.2)身長とLVDdとの関係を詳細に検討すると身長50cmごろを境に傾きが異なり,身長50cmでデータを 2 群に分割するとY = 0.48X - 5.0(r = 0.75)p < 0.05(≦50cm)Y = 0.35X + 1.9(r = 0.92)p < 0.01(> 50cm)となった.共分散分析によりこれらの 2 直線は有意に異なり,さらにいずれも身長75cm以上にあてはまる関係式とも異なった.【結論】身長50cm付近と75cm付近で左室腔の発育が変化することが示唆された. |
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