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P-I-13 |
自律神経障害の追跡評価にheart rate variabilityが有用であったMiller Fisher症候群の 7 カ月女児例 |
福井医科大学小児科1),福井医科大学第一内科2),福井県立大学看護福祉学科3)
西田公一1),中井昭夫1),山田直江1),山崎武俊2),齋藤正一3),眞弓光文1) |
【目的】Miller Fisher症候群(MFS)はGuillain-Barre症候群の亜型で,外眼筋麻痺を特徴とする脱髄性疾患である.今回MFSでもまれな乳児例を経験し,本症に合併した自律神経障害の評価にheart rate variability(HRV)が有用であったので報告する.【症例】7 カ月女児.外斜視,眼瞼下垂にて発症し,小脳症状,顔面神経麻痺,下肢脱力,腱反射消失を認めた.神経伝導速度低下より本症と診断,第 5 病日より免疫グロブリン(IVIG)大量療法を行った.経過中,発汗過多と啼泣時の著明な心拍数上昇を認めたため,自律神経障害合併を疑いHRVによる自律神経機能解析を行った.【方法】第11,第25,第53病日にそれぞれ24時間Holter心電図記録を行った.RRデータはフクダ電子製RR解析ソフトを用い高速フーリエ変換後,時間領域解析として%RR50,周波数領域解析としてLF,HF,LF/HFを測定.周波数領域データはフクダ電子製Cosinor ver2.0を用いてsingle cosinor法による日内リズム解析も行った.【結果】副交感神経の活動性の指標とされる%RR50およびHF値は第11病日において著しく低下しており(%RR50:0.03%,HF:20.16ms2),日内リズムの減少を伴っていた.第25病日には改善し(%RR50:0.27%,HF:44.84ms2),発汗過多も改善した.第53病日ではさらに改善を認めた(%RR50:1.40%,HF:49.12ms2).以上より,本症例では急性期において心臓迷走神経の活動性低下があり,IVIG後約 2 週間の経過にて急速に改善したものと考えられた.【考案】24時間Holter心電図を用いたHRVによる自律神経機能評価は非侵襲的であり,乳幼児においても安全かつ有用と考えられる. |
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