P-I-82
TCPC(lateral tunnel法;LT)の 5 年後の形態評価について
九州厚生年金病院小児科1),九州厚生年金病院放射線科2),九州厚生年金病院心臓血管外科3)
竹中 聡1),城尾邦隆1),渡辺まみ江1),宗内 淳1),池田和幸1),水島 明2),瀬瀬 顯3)

【目的】LT法は自己組織を使用し,導管入れ換え手術不要の期待がある.今回,LTの成長を検討した.【対象と方法】1993~1998年にLT法を用いたTCPC 23例,うち術後 5 年の評価を行った18例(内訳TA 7 例,SV 4 例,CAVV 3 例,strad MV 2 例,PAIVS 1 例,MA 1 例)を対象に,術早期(4y6m±2y2m;A期)と,術後 5 年(9y11m±2y10m;B期)に心臓カテーテル検査を行った.肺動脈吻合部~肝静脈流入部のLT部分について,長さをLT長,正面最大径をLT幅,側面最大径をLT厚,肺動脈吻合部をLT流出部,肝静脈流入部をLT流入部とした.LTの容積はSimpson法を用い,LT容積を体表面積で除した値をLT-indexとした.【結果】結果は表の通り.それぞれの拡大率は1.26~1.59でほぼ均一な成長がみられた.PAI,PA圧,Rpとの関連を検討したが有意差はなかった.B期 7 例に胸部MRA検査を施行した.(LTの各断面積)×(スライスの厚さ)の合計によりLT容積を算出したところ,ほぼSimpson法のLT容積と近似した.断面像は楕円もしくは正円で変形はなかった.【まとめ】LT 18例の 5 年後評価を行ったところ,いずれもLTは形態の変形を伴うことなく成長した.心房性不整脈や血栓などの合併症もなく経過は良好であった.MRA検査による形態評価は有効と考えた.

閉じる