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P-I-105 |
肺の過膨張所見を呈した房室中隔欠損,心室中隔欠損の検討 |
東京慈恵会医科大学小児科1),東京慈恵会医科大学心臓外科2)
浦島 崇1),寺野和宏1),布山裕一1),藤原優子1),衛藤義勝1),森田紀代造2),宇野吉雅2),松村洋高2),松井道大2) |
【目的】房室中隔欠損,心室中隔欠損症例において肺の過膨張(肺気腫様変化)を呈する症例が存在する.これらの症例における術前術後の臨床像に関して検討する.【方法】2000年 1 月~2002年12月に当院において房室中隔欠損,心室中隔欠損に対して乳児期に一期的根治術を施行した36例(男児18名,女児18名)を検討した.肺の過膨張は術前の胸部レントゲンで局所的もしくは全体的に透過性の亢進を認めたものとした.胸部レントゲンで過膨張の所見を認めた症例をA群(12名,Down症候群 6 名),過膨張を伴わなかった症例をB群(24名,Down症候群 2 名)として比較検討を行った.【結果】術前心臓カテーテルでPp/Psは82.2±12.7 vs 71.8±22.0(p = 0.026),Qp/Qsは2.03±0.75 vs 2.50±0.98(NS).肺血管抵抗(unit/m2)は5.55±3.05 vs 3.49±1.92(p = 0.007).心内修復術施行月齢は5.11±2.11 vs 4.88±2.52カ月(NS).心内修復術後の人工呼吸管理は108時間 vs 75.4時間(NS).術後に肺高血圧クリーゼのためNOの吸入を行った症例はA群で 4 名(Down症候群 3 名,非Down症候群 1 名)B群で 2 名(2 名ともDown症候群)であった.術後に在宅酸素療法を必要とした症例はいなかった.【考察】肺高血圧が強い症例,肺血管抵抗が高い症例において肺の過膨張を合併する症例が多かった.またA群は有意にDown症候群が多かった(p = 0.009).Down症候群は術後にNO吸入を必要とする症例が多く(p = 0.005),A群でNO吸入を必要とした症例が多かったのはDown症候群が多く含まれているためと考えられた. |
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