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P-I-109 |
ASD VSD PDA以外の成人先天性心疾患手術例の検討 |
埼玉医科大学心臓血管外科
枡岡 歩,朝野晴彦,尾崎公彦,山火秀明,阿部馨子,岡村長門,今中和人,荻原正規,横手祐二,許 俊鋭 |
【緒言】不的確な診断や患者の病気に対する理解不足などのさまざまな理由で,成人期まで放置され手術となる症例がいまだに散見される.長期間の容量,圧負荷の影響で手術に難渋する症例もあり,今回その症例群について検討した.【症例】1984年から現在まで16歳以上の先天性心疾患手術321例を当科で施行した.うち,ASD VSD PDAを除く42例(13.1%)が対象である.AVSD 13,TOF 6,冠動静脈ろう 2,Lutembacher 2,DCRV 1,BWG synd. 1,supravalvular AS 1,congenital AS 1,Ebstein 1,RV LA fistel 1,バルサルバ洞動脈瘤12例であった.手術時平均38.6歳,男性22例,女性20例であった.以上の症例の手術成績,問題点について検討した.【結果】手術死亡 1 例(2.4%),再手術例 4 例(5.8%)(バルサルバ洞動脈瘤のIE合併例 2 例,AVSDのパッチ縫合不全 1 例,Ebsteinに重複僧帽弁を合併した 1 例)であった.術前の合併疾患は不整脈13例(31%),IE合併 4 例(9.5%),肝障害12例(28.5%),腎障害 6 例(14.3%)と高い数値を示した.平均観察期間10.5年の経過で 1 例(3.4%)が肝不全で死亡した.【結語】ASD VSD PDAを除く成人期に手術された先天性疾患患者の成績,予後は良好であった.多臓器の障害やIEの合併が多く,それ以前の状態で手術することが望ましいと考えられた. |
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