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PDm-II-6 |
小児のカテーテルアブレーションについて |
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器小児科
相羽 純,庄田守男,中西敏雄,中澤 誠 |
【目的】高周波アブレーションは小児においても有効な不整脈の治療法であるが,その特徴と合併症について検討した.【方法】1992年 7 月から2001年 7 月までに行った15歳未満(平均 8±4 歳)の67名である.電極カテーテルは平均 4 本留置した.【結果】平均体重は27±16kg(9.5~79kg)であった.単心室などの複雑心奇形の合併は54名(80%)でチアノーゼは42名(63%)で認めた.不整脈は 2 つの房室結節を介する頻拍が25名,副伝導路が20例,心房頻拍が11例,房室結節回帰頻拍が 9 例,心房粗動が 3 例,心室頻拍が 1 例であった.気管内挿管下の全身麻酔は43名で行った.入室から退室までの全所要時間は,透視時間,通電回数は1992年~1997年の初期ではおのおの 5 時間22分,70±41分,5±5 回で1998年以降の後期ではおのおの 4 時間23分,53±32分,5±5 回であり,通電回数は不変であったが,全所要時間は減少,透視時間は通常のインターベンションのレベルまで減少した.合併症は死亡 1 名,脳硬塞 1 名,上腕神経麻痺 1 名,頭部の血腫 1 名であった.死亡の 1 名は,5 歳の右室性単心室,房室結節回帰頻拍で気管内挿管,全身麻酔下に全所要時間 4 時間20分,透視時間35分,通電回数 2 回であった.術後 2 日目の突然の強直性痙攣と呼吸停止であり,ホルター心電図では房室ブロックは認められなかった.脳硬塞の 1 名は 3 歳の右室性単心室,房室結節回帰頻拍で気管内挿管,全身麻酔下に全所要時間 5 時間,透視時間71分,通電回数 1 回であった.術後 2 日目の突然の左半身麻痺で右脳硬塞であった.3 週間のリハビリで口角の麻痺以外の運動麻痺は改善した.【結果】基礎疾患を伴うことが多く,全身麻酔を必要とし,全所要時間が長めであった.重大な合併症は手技が困難でない例でも起こり,チアノーゼ性心疾患を伴い,術後 2 日目に発症したことより,血栓形成の関与が示唆された. |
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