![]() ![]() |
B-II-8 |
QT延長症候群の年齢,性別による臨床像と心電図変化 |
国立循環器病センター小児科
星名 哲,大内秀雄,林 丈二,田村知史,井埜晴義,渡部珠生,黒嵜健一,塚野真也,越後茂之 |
【背景】QT延長症候群では年齢,性別による臨床像の違いが指摘されており,特に思春期を境界に臨床像が大きく変化することが知られている.またQT時間も年齢,性別による差異を指摘されているが,心電図変化,臨床像の変化を追跡した報告は少ない.【目的】QT延長症候群患者にて年齢,性別による臨床像の変化と心電図上の変化との関連について検討すること【対象・方法】1979年から当科でQT延長症候群と診断し経過観察されている患者のうち,5 年以上の経過観察が可能であった41例(男児23例,女児18例;症候性19例,無症候性22例)に対し,診療録より,心関連症状の有無,時期を調査した.また外来受診時に得られた安静時12誘導心電図より,遺伝子型の予測,QTc,QaTc,HRの測定を行い,経時的な心電図変化を評価し,臨床像との関連について検討した.【結果】心関連症状は男性で有意に(p < 0.01)若い時期に発生しており,また男性では15歳以上で心関連症状を呈したのは 1 例(4%)であった.男性は年齢に相関(p < 0.001)してQTcが減少し,経過観察中19例(83%)でQTc < 450となった.一方女性はQTcは年齢との相関がなく,QTc < 450となったのは 3 例(16%)のみであった.男性ではQTc値の低下と心関連症状には有意な関連を認めた.心電図から予測された遺伝子型別では明らかな傾向を認めなかった.【結語】QT延長症候群において,年齢的な心電図変化があり,臨床症状と関連する可能性がある.治療に関しては,年齢,性別,経時的な心電図変化も考慮するべきである. |
![]() |
閉じる |