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PD-6 |
肺血流調節に難渋したconcordant criss-cross heart,TGA,PS─Biventricular repair or Univentricular repair─ |
京都府立医科大学附属小児疾患研究施設小児心臓血管外科1),京都府立医科大学附属小児疾患研究施設内科部門2)
山岸正明1),春藤啓介1),松下 努1),藤原克次1),新川武史1),宮崎隆子1),渡辺太治1),吉田聡美1),北村信夫1),濱岡建城2) |
【症例】38週,3,110gにて出生,生直後より多呼吸,チアノーゼ出現.SpO2 80台と低下したため,PGE1開始しSpO2は90%に維持される.その後肺血流増加のためPGE1中止.心エコーではPA弁はbicuspid(domingあり),三尖弁override,三尖弁腱索が心室中隔頂上部に付着(straddlingなし).右側RA→左上方のRV→Ao,左側LA→右下方のLV→PA,大血管関係は前後(Ao前方,PA後方).PA弁の心エコーでの診断はconcordant criss-cross heart,TGA,VSD,PS,MR(moderate),PDA,PFO.SpO2低下傾向(PDA縮小?)となり,生後 1 カ月に心カテ,BAS施行.LVEDV 189%N,RVEDV 70%N,LV-PA圧較差20mmHg,PA 40/20(25),VSD径7.9mm,PDA径1.0mm,MR(2 度),BAS後SpO2上昇し75~85%となる.PA圧は高いが成長に伴う低下を考慮しPABは行わず,経過観察とした.生後 3 カ月:心カテにてPA 38/24(27).生後 6 カ月:心カテにて右PVW(32),左PVW(38).生後 7 カ月(5.5kg):PA banding施行(PAB前:PA 29/16,SpO2 80,PAB後:PA 21/7,SpO2 77).術翌日血圧低下のため再開胸.高肺血流と判断しPABを強くするもSpO2維持できず,BCPS施行.PABをさらに締めて最終的なSpO2 89%,PA(12)で終了.術後 6 日目に人工呼吸より離脱するも肺野透過性低下,SpO2低下(60%前後)が遷延したため再挿管し,NO投与.その後RDS様状態となる.フローラン投与,ステロイドパルス療法にて徐々に軽快.術後69日目に人工呼吸より離脱.術後81日目にフローラン中止.術後88日目退院.1 歳 3 カ月(7.8kg):心カテにてLVEDV 134%N,LVEF 59%,RVEDV 85%N,RVEF 61%,LV-PA圧較差85mmHg,PA 25/20(21),Rp 3.5.MR(1 度),TR(1 度).PAB部閉塞試験にて閉塞前PA(21)→閉塞後(19),閉塞前SpO2 75→閉塞後67.問題点:高肺血管抵抗:Fontan循環は成立するか? criss-cross heart:LVからAoへのルートは作れるか?(三尖弁腱索の問題,心室内conduitによるTSの問題) |
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