P-II-65
カルトシステムを用いた特発性左室側壁心室頻拍の高周波カテーテルアブレーションの 1 例
日赤和歌山医療センター第二小児科1),関西医科大学小児科2)
田里 寛1),中村好秀1),福原仁雄1),豊原啓子1),坂口平馬1),池本裕実子2)

【はじめに】カテーテルアブレーション治療の進歩とともに非発作性心室頻拍ならびに心室期外収縮に対しても適応が考慮されている.多くは右室および左室流出路の頻度が高いが,今回われわれは左室側壁心室頻拍のまれな症例をカテーテルアブレーション(RFCA)治療したので報告する.【症例】8 歳男児.5 歳時に心室性期外収縮(VPC)を指摘され,前医を受診した.VPCのQRS波形は,narrow ORS(0.15sec),右脚ブロックで右軸偏位型であった.頻発し,時に 3~5 連発になるため,種々の抗不整脈薬(propranolol,verapamil,lidocaine,disopyramide)が投与されたが,無効であった.最近非持続性心室頻拍(rate 170/分)が頻発するようになってきたため当科を紹介された.通常の誘発では心室頻拍は誘発されないため,VPCの最早期心室興奮部位をカルトシステムでマッピングした.最早期心室興奮部位は,左室側壁にあり,同部位でペースマッピングしたところ一致した.頻拍持続が得られなかったため機序は同定できなかった.心室最早期興奮部位で通電したところ,反復性心室応答が起こりVPCは完全に消失した.【考察】左脚後枝リエントリー性心室頻拍と異なり,本症例はまれな部位が起源であった.左室内ではマッピングが困難である場合が多いが,カルトシステムを用いることによって焼灼に成功した.

閉じる