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P-II-93 |
人工心肺後のサイトカイン産生と術後の肺コンプライアンス低下との関係 |
埼玉県立小児医療センター循環器科1),埼玉県立小児医療センター心臓血管外科2)
菱谷 隆1),小野 博1),菅本健司1),安藤達也1),星野健司1),小川 潔1),黄 義浩2),儀武路雄2),野村耕司2),中村 譲2) |
人工心肺後の血中サイトカインの上昇はよく知られており,術後の肺機能低下との関連性が報告されている.今回先天性心疾患手術例で調べた.【対象】2001年 7 月~2002年 2 月,3 歳以上で人工心肺下にファロー四徴症の心内修復術を施行した 6 例,平均年齢4.2歳(SD1.2),平均体重12.8kg(SD1.7)【方法】Novametrix社製CO2SMOplus呼吸モニターのセンサーを麻酔器に装着し,気道内圧,気流量を同時測定し,respiratory system compliance(Crs)を計算した.挿管後(preCrs),ICU帰室後(postCrs)の値をそれぞれ60分間の平均値として求めた.またCrsの変化率(ΔCrs)を(preCrs-postCrs)/preCrs×100(%)として求めた.またICU帰室後(心肺後平均121分(SD16.5))の血清サイトカイン濃度(TNF-α,IL6,IL8,IL1B)を測定した.【結果】preCrs = 1.29ml/H2O/kg,postCrs = 0.98有意(p < 0.01)に術後Crsは低下した.人工心肺時間とTNF-α値との間に有意な相関を認めた(r = 0.83,p < 0.05).ΔCrsとIL6値との間に相関を認めた(r = 0.67,NS)【結論】人工心肺後産生の亢進したサイトカインTNF-αやIL6は術後の肺コンプライアンス低下に影響を及ぼしていると思われた. |
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