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C-III-10 |
膜性部周辺型心室中隔欠損の心エコー図診断─Tricuspid en face viewによる伸展部位の診断─ |
長野県立こども病院循環器科1),横浜市立大学医学部小児科2)
男澤 拡1),里見元義1),安河内聰1),北村真友1),梶山 葉1),原田順和1),平松健司1),日比野成俊1),本橋慎也1),瀧聞浄宏2) |
【背景】膜性部周辺型心室中隔欠損の診断においては伸展する方向により欠損孔と刺激伝導路との位置関係が異なり,その伸展方向が術前情報として重要である.【目的】大動脈基部短軸断面,胸骨傍四腔断面および左室流出路長軸断面にて欠損孔または短絡血流を検出する従来からの診断法(カラードプラ法も含める)と,新たに導入したtricuspid en face viewを加えた診断法の精度について比較検討すること.【対象】1997~2002年までに当院で手術を施行し,膜性部周辺型心室中隔欠損と診断した93名(2 カ月~16歳).【方法】1997~1999年(前期)までの44例,2000~2002年(後期)までの49例について,それぞれビデオテープ,心エコーレポートおよび手術記録より後方視的に検討した.剣状突起下矢状断面から反時計方向に回転し(30~45度),三尖弁弁尖の開閉がen faceに観察できる断面をtricuspid en face view(TEV)とした.欠損孔がTEV法でanteroseptal commissureより前方に位置している場合には流出路型(outlet type),下方に位置している場合には流入部型(inlet type)と診断した.【結果】前期の44例中術前心エコー診断と手術診断が一致したのは26例(59%)であった.TEV法を併用した後期の49例のうち38例(78%)で手術前後の診断が一致し,診断が異なった11例(22%)の内訳はoutlet→inlet(4),inlet→ECD(1),inlet→apical(1),ECD→inlet(1),inlet→apical(1),outlet→conal septal(1),outlet→apical(1),apical→inlet(1)であった.【結語】TEV法を併用して欠損孔とanteroseptal commissureの位置関係を描出することによりinlet側またはoutlet側に伸展しているかをより正確に診断することができた.ただし心尖部方向への伸展の評価についてはまだ問題があると考えられた. |
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