C-I-7
当院におけるCoA/IAAの縮窄解除術および大動脈再建術後の再狭窄の検討
群馬県済生会前橋病院小児科1),群馬県済生会前橋病院心臓血管外科2)
下山伸哉1),篠原 真1),小野真康1),杉山喜崇2),石原茂樹2)

【背景】当院では左室流出路狭窄の可能性のある症例を除き,CoA/IAAの症例はいずれも無輸血開心術を念頭に,すべて二期的に心内修復術を行っている.そこで,1989年 6 月から2004年 1 月までに当院で施行したCoA/IAAにおける術後再狭窄について検討を行った.【対象および方法】対象症例はCoA complex 39例,IAA 23例のうち,一期手術後,約 1 カ月で,心臓カテーテル検査を施行しえたCoA 18例とIAA 15例(typeA:10例,typeB:5 例)の計33例とした.全例術後の大動脈引き抜き圧較差を測定し,10mmHg以上の症例に対し経皮的バルーン大動脈形成術(PTA)を施行した.さらに二期手術前(1 歳前後)も同様に圧較差を測定した.一期後と二期前,両者の圧較差より,PTA施行症例に対してはPTAの有効性を,PTA未施行の症例に対しては再狭窄出現の有無につき検討した.【結果】CoA 18例の手術方法はSCF法15例で,残り 2 例は端々吻合,1 例はBlalock-Park法(BP)であった.うち,一期後にPTAを要した症例は 5 例(28%)で,PTA前後の圧較差は34.0±24.5mmHg(前)から7.4±9.6mmHg(後)へと低下した.この 5 例中 1 例(一期後68mmHgの圧較差)のみが,二期前に再PTAを要した.PTA未施行生存例の 9 例の圧較差は,いずれも一期後から二期後までの間変化を認めなかったIAA 15例の手術方法はtypeA10例すべてに拡大大動脈弓形成法(EAAA)で,typeB 5 例全例にreverse BP(rBP)法であった.うち,一期後PTAを要した症例は 5 例(33%)であったが,この 5 例すべて二期前にはPTAを必要としなかった.PTA未施行の10例中 1 症例は,一期後 5 から16mmHgへと圧較差が上昇していたため,PTAを行った.【結語】IAA/CoA 33例中 9 例が一期後PTAを要したが,うち 7 例は二期前にPTAは必要とせず,PTAの有効性が認められた.PTA未施行の18例中 1 例(5.6%)に再狭窄が認められた.

閉じる