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C-I-8 |
Rastelli型手術の遠隔成績 |
広島市立広島市民病院心臓血管外科1),広島市立広島市民病院小児循環器科2)
久持邦和1),鎌田政博2),吉田英生1),柚木継二1),石橋幸四郎1),黒川剛史1),桜井 茂1),大庭 治1) |
【目的】Rastelli型手術の遠隔成績について検討した.【方法】対象は1977年から2003年の間に当院にてRastelli型手術(弁付き心外導管を用いた右室 - 肺動脈再建)施行例のうち耐術41例(男性24;女性17).手術時年齢は 5 カ月~31歳(中央値5.5),体重は3.9~49kg(中央値14.2).診断は肺動脈閉鎖・心室中隔欠損症(ファロー四徴症を含む)22例.このうちMAPCAs合併;7 例.完全大血管転位症 3 型;8 例,修正大血管転位・心室中隔欠損・肺動脈閉鎖/狭窄症;9 例,総動脈幹遺残症;2 例.Rastelli手術以前の姑息術は31例に対し,47回(1~3 回)施行されていた.【成績】観察期間は 5 カ月~26年(平均10年),再手術は19例に対し21回施行されていた.再手術までの期間は 1 カ月~24年(平均 8 年).再手術は心外導管交換または右室流出路形成のみ;10例(1 例は 2 回施行),これに加えて左室流出路狭窄解除;3 例(1 例は再切除術と大動脈弁および僧帽弁置換を施行),左側房室弁置換;1 例,遺残VSD閉鎖;1 例,左肺動脈形成および三尖弁形成;1 例,Bentall手術および弓部置換;1 例,大動脈弁および僧帽弁置換(感染性心内膜炎);1 例.1 例のみ心外導管を変えずに僧帽弁形成と遺残VSD閉鎖を施行した.この症例と感染性心内膜炎の症例を失ったが,心外導管交換または右室流出路形成に伴う死亡例は認めなかった.この 2 例を含め遠隔死亡を 9 例認めた.肺高血圧に関連した死亡;3 例(MAPCAs合併症例;2 例),不整脈(VT);1 例,不整脈と思われる突然死;2 例,死因不明;1 例.1,5,10年時での生存・再手術回避率はそれぞれ95・91%,85・91%,85・44%であった.【結論】Rastelli手術後遠隔期には再手術はほぼ必須であるが,再手術のリスクは心外導管以外の合併病変に対する手術の必要性によって左右されると思われる.遠隔期死因としては肺高血圧症と不整脈が頻度が高く,特に注意が必要である. |
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