P-I-A-8
当院NICUにおける先天性心疾患に伴う合併奇形についての検討
北里大学医学部小児科1),北里大学医学部胸部外科2),神奈川県立こども医療センター心臓血管外科3)
林 初香1),広田浜夫1),中畑弥生1),堀口泰典1),平石 聰1),藤野宣之1),武田信裕1),小川夏子1),宮地 艦2),麻生俊英3)

【目的】当院NICUにおける先天性心疾患(CHD)と合併奇形について検討する.【対象】2000年 5 月 1 日から2003年12月31日まで当院NICUに入院した先天性心疾患の122名.ただし,超低出生体重児における症候性PDAは除外した.【方法】当院NICUに入院したCHD患児122名を性別・在胎週数・出生時体重・疾患・合併奇形・手術の有無・転帰について検討した.【結果】CHD患者122例(男児61例,女児61例),在胎週数は平均33週 5 日であった.出生時体重は676g~4,030gで,平均2,488gであった.超低出生体重児が 6 例(7.32%),極低出生体重児が 5 例(6.1%),低出生体重児43例(52.46%),巨大児 1 例(1.22%)であった.疾患としてはVSD 25例,ECD 7 例,TAPVR 3 例,IAA 4 例,HLHS 8例,CoA 10例,TOF 12例,TGA 10例,DORV 8 例,ASD 10例,PA 6 例,AP window 1 例,hypoplastic RH 3 例,AS 2 例,SV 4 例,TA 4 例,その他27例であった.CHD以外の合併症を認めた患者は58例(70.76%)で,うち,染色体異常26例(31.72%)(Down症候群14例,18トリソミー 4 例,13トリソミー 1 例)であった.その他の合併奇形としては口唇口蓋裂 5 例,横隔膜ヘルニア 3 例,肺分画症 2 例,食道閉鎖症 1 例,十二指腸閉鎖症 5 例,胆道閉鎖症 1 例,水腎症 3 例,中枢神経系の異常 8 例などが挙げられる.NICU入院中にCHD以外の合併奇形に対しての外科的治療が行われたのが12例(7%)であった.22例(26.84%)はNICU入院中に死亡している.【考察】CHD患者では合併奇形を伴う場合が多く,心疾患と合併奇形の重症度において小児科・胸部外科・小児一般外科などが協力して治療方針を決定していくことが重要であると思われた.

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