P-I-C-11
ASD断面積の心収縮時相での変化―リアルタイム三次元心エコー法を用いた検討―
自治医科大学小児科
保科 優,白石裕比湖,飯野真由,斎藤真理,平久保由香,市橋 光,桃井真理子

【背景・目的】ASDの大きさは心収縮により変化することが知られているが,低侵襲な手法での詳細な報告はない.われわれは,リアルタイム三次元心エコー法を用いて,ASDの断面積を計測し,拍動中の断面積の変化について検討した.【方法】対象はASD 4 例.年齢は生後 1 カ月から 7 歳.超音波診断装置はPhilips社製SONOS 7500を使用した.全例通常の超音波検査に加えてリアルタイム三次元心エコー法で経胸壁または胸骨弓下四腔断面を記録した.得られた画像を,Tomtec社製画像解析ソフト「4D Cardio-View」を用いて解析し,ASDの最大断面積(ASDMax),最小断面積(ASDMin)およびASDMaxに対するASDMinの縮小率をそれぞれ算出した.【結果】4 症例の身長,体重,ASDMax,ASDMin,縮小率を以下の表に示す.全例でASDMaxは心房が拡張する収縮末期,ASDMinは心房が収縮する拡張末期に一致した.【考察】リアルタイム三次元心エコーを用いて,拍動中のASDの断面積の変化を検討することが可能で,その縮小率は32~55%だった.またASDMaxが収縮末期,ASDMinが拡張末期に一致することが確認された.リアルタイム三次元心エコー法は,拍動中のASDの断面積の変化を正確に評価することができた.


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