P-I-C-13
先天性心疾患におけるリアルタイム3Dエコーの有用性
日本大学医学部小児科
金丸 浩,唐澤賢祐,阿部 修,宮下理夫,鮎沢 衛,住友直方,岡田知雄,原田研介

【目的】リアルタイム3Dエコーを用いて,先天性心疾患における形態診断の有用性を検討した.【方法】対象は先天性心疾患(心房中隔欠損 5 例,心室中隔欠損 6 例,肺動脈狭窄 3 例,肺動脈閉鎖 1 例,僧帽弁閉鎖 1 例,総動脈幹遺残 1 例)17例である.方法はPHILIPS社のSONOS-7500を用いて,2Dエコー(2DE)とライブ3Dエコー(3DE)を行い,欠損孔,狭窄性病変および弁の描出について検討した.【結果】3DE像は,2-4MHzトランスデューサを用いて,新生児を含めた全例で描出可能であった.欠損孔は直視する方向で描出可能であったが,注意点として,エコーゲインの調節により欠損孔の描出像が変化するため,画像構築の習熟が必要であった.また,3Dカラー像で異常血流を空間的に観察することで,3DE上の欠損孔を同定することができた.末梢性肺動脈狭窄の描出は,主肺動脈との三次元的な走行異常を捉えることができた.肺動脈閉鎖のバルーン拡張術後症例では,肺動脈弁輪部まで弁が裂開し 2 尖弁に形成されていることが確認された.総動脈幹遺残例では,2DEでは確信を得られなかった総動脈幹の弁数が,3DE上で 4 弁構造として捉えることができた.良好な3DE像を得るためには,良好な2DE像と適切な方向からの3DE像を描出することが最も重要であった.【結論】リアルタイム3Dエコーは,欠損孔および弁奇形をはじめ先天性心疾患の病変を直視する形で捉えることができ,インターベンションおよび外科治療に有用な情報を提供すると考える.今後,解析ソフトによる定量的評価が期待される.

閉じる