P-I-C-18
99mTc-MAA肺血流SPECTを用いた肺血流分布容積による肺血管抵抗の評価
山梨大学医学部小児科1),山梨大学医学部放射線科2)
内藤 敦1),杉山 央1),星合美奈子1),丹 哲士1),小泉敬一1),戸田孝子1),梅田貴子2),中澤眞平1)

【はじめに】以前,酸素負荷99mTc-MAA肺血流SPECTを用いて,肺血管の酸素に対する反応性を定量的に評価できることを報告した.今回,肺血管抵抗と肺血流分布容積の関連について検討する.【対象】先天性心疾患を有する95例に検査を行い,そのうち,同時期に心臓カテーテル検査を施行した50例について検討した.男児30例,女児20例.年齢0.2~8.0歳,平均1.8歳.【方法】仰臥位にて99mTc-MAAを静注し,rest像を撮影した. さらに酸素を 5 分間投与した後,同量を再投与しstress像を撮影した.restとstressそれぞれの最高カウントの40%をthresholdに設定して肺血流分布容積を算出,同時期に施行した心臓カテーテルデータと比較検討した.【結果】rest像での肺血流分布容積(rest volume)は体表面積と良好な相関関係を認めた(Fig. 1).体表面積あたりのrest volume(rest volume index:RVI)は553±192ml/m2,stress像のVI(SVI)は593±202ml/m2,volume増加率 8±11%と酸素負荷により肺血流分布容積は有意に増加した(p < 0.0001).また,肺血管抵抗(Rp)が高値の症例ではRVIは低値であった(Fig. 2).【結語】99mTc-MAA肺血流SPECTを用いて肺血流分布容積を測定することにより,肺血管抵抗を推測できる可能性が示された.


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