P-I-F-4
当施設における大血管転換手術を施行した完全大血管転位症について
宮崎大学医学部小児科1),宮崎大学医学部第二外科2),鹿児島市立病院小児科3)
佐藤潤一郎1),小泉博彦1),久保尚美1),高木純一1),中村都英2),鬼塚敏男2),奥 章三3)

【はじめに】完全大血管転位(transposition of the great arteries:TGA)は,新生児期の積極的手術介入,周術期管理技術の向上により飛躍的に早期死亡率は改善している.当施設における大血管転換手術(arterial switch operation:ASO)を行った症例の臨床経過・検査データを後方視的に検討したので報告する.【対象】1999年~2003年の 5 年間に当施設でASOを施行した 8 例(男児 6 例,女児 2 例)の検討を行った(図参照).【手術】平均生後15日で手術を施行した.症例 3 は二尖弁の肺動脈であったが,逆流・狭窄認めずASO可能と判断,全例にASOを施行しえた.冠動脈の移植は 8 例中 7 例でpunch-outを行い,症例 4 は術中所見にてShaher 5a型の壁内走行であったため,Aubert変法を施行した.術後,移植冠動脈の狭窄などの合併なく早期死亡は認めていない.【結語】術前の冠動脈走行を含めた十分な構築異常の検討と,新生児科医・心臓外科医との密な連携をとることにより良好な結果を得ることの可能な手術法と考える.


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