P-I-G-6
肺動脈縮窄/離断を伴う単心室に対するBTシャントの検討
大阪市立総合医療センター小児心臓血管外科1),大阪市立総合医療センター小児循環器内科2)
関谷直純1),西垣恭一1),久米庸一1),上野高義1),村上洋介2),杉本久和2),江原英治2),兪 幸秀2)

【はじめに】肺動脈縮窄/離断(PACoA)を伴う単心室では,BTシャント(BT)後の肺動脈発育が不十分な症例がある.当科では初回手術としてBTを行っており,その成績を検討した.【対象】1996年以降,BTを行ったPACoAを伴う単心室11例.内訳はTA 3 例,MA 1 例,DORV + CAVC(asplenia)6 例,その他 1 例.肺動脈閉鎖/狭窄は 9 例/2 例.PACoAの形態はPDA流入部の狭窄/離断:9 例/1 例,中心肺動脈欠損:1 例.初回BT時期は生後19~111日(中央値48日)で,9 例に複数回BTを行い,間隔は 6~337日.【方法】BT前後でのSaO2,Qp/Qs,PAI,左右肺動脈径不均等の指標としてBT側/対側肺動脈径比(PAD比)を検討.【結果】(表参照)PAD比は初回BT後に有意に増加し,BT追加後も改善しなかった.側副血行の発達のためpeel & wrapを要した症例を 4 例認めた.初回BT時の肺血流が少なかった 2 例とBT追加が329日,377日後になった 2 例であった.またPVOが 4 例(全例asplenia)で顕性化し,3 例はBT対側であり,肺血流の減少との関連が示唆された.【結語】PACoAを伴う単心室では,早期に肺血流を均等にすることが肺動脈発育に重要であると考えられた.


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