P-I-G-14
Konno手術後 6 年後に右室へリークを生じた 1 症例
社会保険中京病院心臓血管外科1),社会保険中京病院小児循環器科2)
長谷川広樹1),秋田利明1),櫻井 一1),加藤紀之1),河村朱美1),櫻井寛久1),松島正氣2),西川 浩2),加藤太一2),牛田 肇2)

Konno手術後 6 年後に右室流出路へリークを生じ再手術を要した症例を経験したので,報告し,その原因,対策を考察した.【経過】患者は25歳女性.3 歳時に大動脈狭窄と診断され,4 歳で大動脈縮窄と診断された.5 歳で交連切開を施行.19歳時にKonno手術を施行し,21mm Carbo-Medics弁を使用した.外来通院中CTR拡大し,23歳外来受診時連続性心雑音を聴取するようになった.25歳時PSVTとなり受診し,その後重度の右心不全症状を示した,内科的治療にてコントロール後心カテーテル検査を施行した.中等度の三尖弁逆流および,大動脈弁直上より右室流出路にリークを認めた.高度の肺高血圧,著明な静脈圧の上昇を認め,Qp/Qsは2.74であった.手術時所見では,Konno手術の際心室中隔から大動脈にかけての拡大に用いた 1 枚のウシ心膜パッチが,人工弁輪直上より裂けていた.IEの所見は乏しく,リーク部を人工血管をパッチ状にしたものを用いて閉鎖した.術後経過は良好であった.【考察】パッチが裂けた部分は人工弁輪部に縫着した部位であった.固い人工弁輪部と大動脈基部のパッチ縫着部に圧ストレスと心拍動によるねじれのストレスが直接かかり縫合線から切断されたと推察された.【結論】異種心膜は人工弁輪部との縫着部には強度が不十分であり,人工血管を大動脈側パッチとして用いるのがよいと考えられた.

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