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N-I-21 |
入退院を繰り返す先天性心疾患患者が抱える問題 |
国立循環器病センター
三戸有加,藤中直実,大神陽子,三谷律子,大洞栄子 |
【はじめに】医療が高度化し内科的治療・外科的治療が発達するのに伴い,先天性心疾患を有して生まれてきた子どもが思春期・成人期まで成長することが可能となってきた.今まで私たちは,モニタ観察や心不全症状の観察,自己管理の指導など医療管理にのみ目を向け看護を行っていたが,今回の入退院を繰り返す事例を通して,その原因が患者の精神的・社会的側面を含めた背景にも関係あるのではないかと考え,入退院を繰り返す患者の抱える問題について事例検討したので報告する.【事例紹介】16歳男性.単心室で 6 歳のときフォンタン手術施行された.以後,不整脈や心不全などで緊急入院を繰り返し,12歳以降はほとんどが入院生活であった.【研究目的】入退院を繰り返す患者の抱える問題を明らかにする.【方法】患者の現在までのカルテから,入院の目的と経過,患者の言動,家族や看護者の関わり,患者の社会的背景などについて情報分析し,患者が抱える問題について検討する.なお,この研究で知り得た情報を目的以外には使用しないこととする.【結果・考察】入退院を繰り返す原因として患者が抱える問題は,疾患上の問題・自己管理不足・社会生活ができないこと・家族の関わりにおける問題の 4 つに分類できた.特に社会生活ができていないことやそれに関する家族の関わりが,入退院を繰り返すことに大きく影響していた. |
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