P-II-A-1
川崎病診断における冠動脈エコー輝度の検討
NTT東日本札幌病院小児科
布施茂登,大柳玲嬉

【はじめに】川崎病の急性期初期において,左右冠動脈の輝度が上昇することはよく知られている.冠動脈炎があれば同部位においてエコー輝度が上昇することも理解できる.しかし川崎病の診断の際,川崎病診断の手引きにおいて冠動脈輝度上昇の記載がないにもかかわらず,これを参考にして診断することがある.われわれは,川崎病診断における冠動脈のエコー輝度上昇の有用性を検討した.【方法】川崎病患者 9 名(3.1±2.5歳),age matched control 9 名(3.0±2.5)に対し,同一機種の心エコー(ALOKA SSD5500,5MHz トランスジューサ)において同一検査者がon lineにて左右冠動脈と胆嚢壁の静止画像をコンピュータ上に記録した.3 名のブラインドの観察者が独立して,川崎病急性期と川崎病回復期,controlの順不同で患者情報のない画像を観察し,エコー輝度上昇の有無を判定した.左右冠動脈と胆嚢壁のエコー輝度の感度と特異度を検討した.【結果】表【結語】左右冠動脈,胆嚢壁のエコー輝度は川崎病診断のためには,感度,特異度ともに高くない傾向にあり,エコー輝度による川崎病診断には注意を要する.


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