P-II-A-5
Toll like receptor(TLR)の解析からみた川崎病の病態
東邦大学医学部第二小児科(大橋病院小児科)
二瓶浩一,青木継稔,四宮範明

【目的】急性期の川崎病患者末梢血単核球(PBMC)におけるToll like receptor(TLR)レパートリーについて検討することにより,川崎病の病因・病態を明らかにすること.【対象および方法】対象は川崎病患者14名.急性期および回復期のPBMCを分離し,RT-PCR法を用いてTLRmRNAの発現レパートリーを比較検討した.【結果および考察】急性期の患者PBMCにおいてTLRmRNAの強い発現の頻度が高かったのは,TLR8(10名:71%),TLR2(9 名:64%),およびTLR5(7 名:50%)などであった.そのうちTLR8発現は,回復期に減弱する傾向を認めた.この結果と治療法や予後との有意な相関は認めなかった.一方,今回得られたTLRレパートリー発現パターンをPBMCにおけるmonocyte/dendritic cellサブセットパターンから検討すると,monocyteが主体となって増加・活性化していることが推測された.

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