P-II-G-14
肥大型心筋症と心室性不整脈を合併し,多数の突然死者を有する家系例
聖マリアンナ医科大学小児科1),聖マリアンナ医科大学循環器内科2)
麻生健太郎1),都築慶光1),有馬正貴1),後藤建次郎1),栗原八千代1),村野浩太郎1),小板橋靖1),中沢 潔2)

肥大型心筋症(HCM)と心室性不整脈を合併し,多数の突然死者を有する 1 家系例を経験した.発端者は75歳男性で,兄 2 人は新生児期に死亡,さらに甥が突然死していた.発端者は失神の原因検索からHCMと診断された.Holter心電図の42連の非持続性VTと心室プログラム刺激による持続性VTが確認され,植え込み型除細動器の植え込みを受けている.その妻(69歳)の父が突然死(33歳)していた.この夫婦には息子と娘が 1 人ずついた.息子は非持続性VTのあるHCMだった.娘は健康であった.その娘に 3 人の息子があった.長男は 4 歳時に突然死,次男はHCMと診断されフォローされていたが,13歳のときに心室性不整脈の蘇生をうけ,19歳の現在,蘇生後脳症で通院中である.三男は健康である.異常はないと思われた発端者の妻,娘,およびその三男にpilsicainide負荷を試みた.その結果,娘でBrugada症候群の心電図波形が誘発された.現在SCN5Aの遺伝子検索を行っている.

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