P-II-E-5
小児におけるankle brachial indexとpulse wave velocity値の正常値の検討
NTT東日本札幌病院小児科1),札幌医科大学小児科2)
大柳玲嬉1),布施茂登1),富田 英2)

【目的】ankle brachial index(以下ABI)とpulse wave velocity(以下PWV)値の正常小児データに関し検討した.【対象】当科に2001年 4 月より2004年 1 月までの間に受診した患者のうち先天性心疾患や糖尿病・肥満・川崎病など動脈硬化性のリスクを持たない患者 5 歳から25歳まで(中央値12.0歳)の99名(男49名,女50名)についてABIとPWVの値を測定した.【方法】form PWV/ABI(コーリンメディカルテクノロジー社製)を用いABI,PWV値を測定した.PWVは上肢長,体幹長,下肢長を計測し,補正した値を用いた.ABI,PWV値と年齢,身長,体重,BMI,性別,収縮期血圧,拡張期血圧について多重回帰分析を用いて検討した.【結果】ABIは年齢,BMI,性別で多重回帰分析を行ったところ年齢とゆるやかに相関(p < 0.05)し,ABI = 1.19 - 0.005*年齢;R2 = 0.078の回帰式が得られたがこの寄与率は低値であった.PWV値は年齢,身長,BMI,性別,収縮期血圧,拡張期血圧で多重回帰分析を行ったところ年齢,身長,PWV値とよく相関(p < 0.05)し,特に相関の強くみられた年齢(p < 0.01)ではPWV = 773.9 + 15.2*年齢;R2 = 0.31の回帰式が得られた.【結論】正常小児におけるPWV値は年齢によく相関した.

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