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学校心臓二次検診への運動負荷試験導入の試み
西濃地域保健所管内児童心臓検診読影委員会1),岐阜県医師会心電図解析委員会2)
西原栄起1),倉石建治1),田内宣生1),篠田 達1),森木稔夫1),佐久間孝1),浅野文祐1),安田 洋1),馬淵原一2),河合直樹2)

【目的】今回われわれは,学校心臓二次検診で運動負荷試験を取り入れて施行した.(1)運動誘発性の危険な不整脈の早期検出,(2)二次検診場で管理指導区分を決定できる,(3)保護者,被検者の負担の軽減を主な目的とした.【対象と方法】医師 4 名,検査技師 6 名で二次検診を実施した.受診者は78名.小児循環器医による聴診,12誘導ECG,心エコー検査を施行し,運動負荷試験が必要とされる者を抽出し,運動負荷試験を施行した.運動負荷試験方法は 3 分80回のダブル負荷法と,4.5分120回のトリプル負荷法で行った.二階段は成人用のものの 2/3 の高さのものを使用した.心電図モニタ下で運動負荷試験を行い,同時にホルター心電図を装着した.【結果】運動負荷試験受検者数は78名中 5 名(6.4%).ダブル負荷 4 名.トリプル負荷 1 名.ピークの心拍数は,ダブル負荷で163.5±12.3,トリプル負荷で145.診断名はSVPC 2 名,VPC 1 名,WPW症候群 2 名.運動誘発性の不整脈はなかった.検査所要時間は,準備から検査終了まで 1 件あたり10から15分を要した.【まとめ】(1)所要時間が 1 件あたり約10から15分かかるため,件数が増加した時に検診全体の時間内に終わらせることができなくなる可能性があった.(2)負荷方法の選択に関しては,低学年であるため,多くはダブル負荷を選択したが,十分な心拍数増加を得るにはトリプル負荷が望ましいと思われた.運動負荷試験を導入することによって当初の目的をほぼ達成することができたが,さらなる問題点を洗い出し,解決することが次回の検診に役立つと思われた.

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