P-II-E-7
WPW症候群疑い例に対するATP負荷心電図の検討
岩手県立中央病院小児科
田澤星一,斎藤明宏,菅原和華,一戸明子,三上 仁,前多治雄

平成10~14年度の岩手県心臓健診(対象者約23万人)でWPW症候群を疑われた286名(要管理241名,管理不要36名)を要管理・管理不要群で比較した.頻拍発作既往例を除くと検査項目および検査結果に差は認められず,現在行われている12誘導心電図,負荷心電図,ホルター心電図からは客観的な管理の要不要の判別ができない.平成15年度,WPW症候群を疑われ当科を受診した児11名に対してATP負荷試験を行った[ATP 0.2mg/kg(最大10mg)を急速静注].11名中 4 名で房室ブロックを呈し,典型的な順行性房室副伝導路が存在しないことが確認された.不要な管理を避けることができる例は少なくないことも予想され,心臓健診におけるATP負荷試験の有用性が示唆される.

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