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C-III-20 |
Homograftを用いた新生児期総動脈幹遺残症(Truncus)手術―ダウンサイジングの有用性― |
長野県立こども病院心臓血管外科1),長野県立こども病院循環器科2)
益原大志1),原田順和1),平松健司1),日比野成俊1),内藤祐次1),本田義博1),里見元義2),安河内聰2),松井彦郎2) |
Homograftは,組織のしなやかさと抗感染性を有する人工血管には認めない優れた材質である.日本においてはhomograftの供給は限られており新生児にマッチしたhomograftを入手するのは困難である.今回当院で施行したhomograftを用いた新生児期Truncusに対しての手術経験を報告する.利用したhomograftは院内で採取,保存したものである.【症例】homograftを用いた新生児期Truncus手術は 3 例.全例Collet-Edward分類の I 型であった.症例 1:日齢 6,女児,3,700g.術前心エコーにて truncal valve stenosis and regurgitationを認めた.術中truncal valveを観察すると各弁尖は癒合しておりplastyは不可能であったため左室流出路再建に13mm aortic homograft,右室流出路再建に16mm pulmonary homograftを使用した.症例 2:日齢23,男児,3,100g.truncal valveは 3 弁であり使用可能であったため右室流出路再建にのみ14mm pulmonary homograftを用いた.症例 3:日齢 6,男児,2,311g.truncal valveは 2 弁であるも使用可能であったため13mm aortic homograftを右室流出路再建に使用予定とした.解凍してみるとhomografは16mmあり上行大動脈は10mmであったためhomograftを縦切開し 3 弁を 2 弁化にして 9mmにダウンサイジングしたhomograftを右室流出路再建に使用した.【経過】症例 1:術後 3 カ月ころより急速なARの進行およびPSrを認め術後 5 カ月にKonno手術および右室流出路再建術を施行した.現在外来通院中.症例 2:術後 1 年 3 カ月時心臓カテーテル検査にてconduit gradientは15mmHgであり現在外来通院中.症例 3:術後早期であるがconduit valveの狭窄や逆流は認めず経過良好である.【結語】homograftを用いた新生児期Truncus手術 3 例を経験した.症例 1 は早期に再手術になっているが他の 2 例は経過良好である.限定されたhomograftをサイズのミスマッチにて使用を断念せずダウンサイジングし使用することも良い方法であると思われる. |
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